マシンバイス
マシンバイスとは
マシンバイスとは、工作機械に取り付けてワーク(加工対象物)を固定するための治具です。フライス盤やマシニングセンタなどの加工機で使用され、ワークをしっかりと固定することで高精度な加工を可能にします。
加工時の振動を抑え、ズレを防ぐ役割があるため、選定や使い方によって加工の仕上がりや作業効率に大きな影響を与えます。
当社、ロームヘルドハルダーでは5軸加工用センタリングバイスをメインに取り扱いをしております。
マシンバイスの種類・特長
マシンバイスにはさまざまな種類があり、それぞれの加工内容や用途に応じた特長を持っています。
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1. 標準マシンバイス(片側固定バイス、手締め)
一般的なマシンバイスで、主に三軸加工フライス盤やマシニングセンタで広く使われています。
特長:クランプ面を多くとり、片側しか稼働しないため、安定クランプしやすい
用途:切削加工、穴あけ加工、研削加工 など -
2. 5軸加工用マシンバイス(センタリング、手締め)
5軸マシニングセンタでの加工に適したバイスで、ワークの干渉を避ける設計がされています。
特長:ワークを少ないクランプで固定でき、多面加工が可能
用途:複雑形状の加工、高精度部品の製造 など -
3. 油圧マシンバイス(油圧駆動、自動化用)
油圧ポンプを使用して強力にワークを固定するタイプです。
特長:油圧回路によって制御、開閉されるため自動化対応可能
用途:ロボット協業、量産治具など -
4. 電動マシンバイス(モーター駆動、自動化用)
モーター駆動でギアが動き、スピンドルが回転、口金が開閉します。
特長:高度な制御が可能
用途:ロボット協業、全電動化、高度なセンシング(位置エンコーダー管理)など
マシンバイス選定のポイント
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1. 加工の種類に合ったバイスを選ぶ
一般的な切削加工 → 標準マシンバイス
高精度な加工 → 油圧バイス
大量生産・自動化 → 空圧バイス
薄板や樹脂の加工 → 真空バイス
多面加工が必要 → 5軸加工用バイス -
2. ワークサイズと形状を考慮
ワークのサイズが大きい場合は、適切な口幅と開口サイズのバイスを選ぶ。
形状が複雑な場合は、5軸加工用バイスや自動調心バイスを検討する。 -
3. クランプ力と安定性
強いクランプ力が必要な場合は、油圧・空圧バイスが適している。
ワークの変形を防ぐ場合は、自動調心バイスや真空バイスが有効。 -
4. 加工精度と剛性
高精度な加工には、高剛性・高精度のマシンバイスを選ぶことが重要。
低剛性のバイスでは、振動やワークのズレが発生しやすくなる。 -
5. 作業効率とメンテナンス
自動化ラインでは、エア式や油圧式のバイスが効率的。
メンテナンスしやすい構造のバイスを選ぶことで、長期間安定して使用できる。