フローティングクランプとは
びびり振動の課題
加工中に生じるワークのビビり振動を、一般的なクランプ機器を使って取り除くことは簡単ではありません。複数の治具を用いてワークを固定し振動を抑制する場合、治具の数が増えてしまい、段取り工数が増えてしまいます。特に、薄い肉厚部分を強い力でクランプすると、ワークを歪めてしまうことが大きな課題となっています。
フローティングクランプで解決
フローティングクランプとは、このような課題を解決するためのクランプ装置です。
ワークの高さに倣ってクランプ口金が移動し、その位置でクランプするので、変形・歪みの原因である負荷を与えません。もちろん、しっかりとワークを固定しますので、確実にびびり振動を無くすことが出来るクランプ装置です。
導入によるメリット
- 加工精度の向上
- 治具点数の削減
- ワークの段取り替え時間の短縮
- 作業効率の改善
特長
ハルダー社(HALDER)のフローティングクランプは、高い精度が要求される航空機用エンジン、自動車部品の加工に採用されています。このフローティングクランプのユニークな機構は、ハルダー社(HALDER)の独自の技術です。
- 加工中のビビり振動を抑制
口金がワークの上下をしっかりクランプし振動を除去 - ワークに歪みを与えないクランプ
下側の口金がワーク底面とスプリング力で接触
ワーク毎の高さに合わせた歪みが生じないクランプが可能 - 治具の標準化、コスト低減
専用治具の製作は不要 - 作業工数の低減
高さ調整など難しい作業が不要
簡単な操作で素早くクランプ
フローティングクランプは、固定位置が自在のワーククランプです。
フローティングクランプは、自由位置決めを行えるフロート式クランプとして、追加クランプやクランプが多過ぎる場合に使用します。 本製品は、弱いバネの力で口金がワークに接触します。従って、ワークを歪ませること無しにクランプ出来ます。特に、繊細なリブ付ワークなどのクランプに最適です。 加工中の振動抑制にも効果があります。
本製品のラインアップは、標準在庫品となっています。
背の低いコンパクトタイプ; サポート力8kN:
■ コンパクトタイプのフローティングクランプ:位置決めとクランプが同時、固定ネジサイズ M 12
■ コンパクトタイプのフローティングクランプ:位置決めとクランプが別ネジ、固定ネジサイズ M 12
標準タイプ; サポート力8kN:
■ フローティングクランプ:位置決めとクランプが同時、固定ネジサイズ M 12
■ フローティングクランプ:位置決めとクランプが別ネジ、固定ネジサイズ M 12
■ 標準口金 M 12
■ 特殊口金 M 12
大型、重量ワークに最適; サポート力25kN:
■ フローティングクランプ:位置決めとクランプが同時、固定ネジサイズ M 16
■ 特殊口金 M 16
ワークサポート (23220.0400) 、(23220.0085 – .0450)も合わせて使うことが出来ます
仕様
フローティングクランプ
ビビり振動の抑制に最適
型式 | 調整範囲 (mm) |
クランプ領域 (mm) |
最大サポート力 (kN) |
クランプ方式 |
---|---|---|---|---|
23320.0008 | 72-80 | 0-12 | 8 | 同時に固定 |
23320.0012 | 102-112 | 0-12 | 8 | 同時に固定 |
23320.0016 | 163-175 | 10-25 | 25 | 同時に固定 |
23320.0010 | 72-80 | 0-12 | 8 | 別々に固定 |
23320.0014 | 102-112 | 0-12 | 8 | 別々に固定 |
*HALDERの製品サイトが表示されます
◆ワークのサイズや用途に合わせて、5つのタイプをご用意しております
◇ワークのクランプと口金位置のロックが同時タイプ:素早いクランプ向け
◇ワークのクランプと口金位置のロックが別々タイプ:デリケートなワーク向け
口金(上側)のクランプとフローティングクランプの本体の固定が別々なので、ワークを歪ませずに固定します
◆口金オプション
開口幅を大きくする、ワークを点で咥える、受けを取り付けるなど、豊富な種類の口金をご用意しております。また、特注品・追加工も可能です。
詳細は弊社までお気軽にお問い合わせください。
◆関連製品
ワークサポート
採用例
薄いワークの振動しやす場所をクランプ |
ワークを3点で固定した後に4点目をクランプ |
動画
データシート
製品に関するお問合せはロームヘルドハルダー(株)までお問い合わせください。
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標準機械部品 総合カタログ
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フローティングクランプ カタログ抜粋